【2024年最新】酸化ガリウム半導体の市場動向と将来性を徹底分析! 

株式投資

【次世代投資】中期長期、新NISA

パワー半導体注目素材「酸化ガリウム」

酸化ガリウムは、次世代パワー半導体材料として高い性能と低コストを兼ね備えており、2030年には590億円規模の市場が見込まれています。

酸化ガリウムの研究開発では、日本の「ノベルクリスタルテクノロジー社」と「FLOSFIA社」が世界をリードしています。

両社は、酸化ガリウムウエハーやパワーデバイスの開発・製造・販売において、先進的な技術を持っています。

酸化ガリウムは、パワー半導体としての理論的な性能がシリコンよりも圧倒的に高く、炭化ケイ素や窒化ガリウムをも超える優れた材料として期待されています。

そのため、EVや再生可能エネルギーの普及に伴い、酸化ガリウム関連の技術や製品の需要が拡大することが予想されています。

酸化ガリウム半導体材料の販売量ベースの世界ランキング

順位会社名国籍売上高(百万ドル)
1ノベルクリスタルテクノロジー日本12.5
2FLOSFIA日本8.7
3タムラ製作所日本6.3
4ローム日本5.2
5デンソー日本4.1
6三菱重工業日本3.9

酸化ガリウムの市場は、日本企業が圧倒的なシェアを占めています。
日本は、酸化ガリウムの技術開発において、世界の先端を走っていると言えます。

日本株

酸化ガリウムパワー半導体の開発や製造に取り組む企業の中でも、有望な2社との関係性のある日本株銘柄としては、以下が挙げられます。


ノベルクリスタルテクノロジー株式会社

ノベルクリスタルテクノロジーは、酸化ガリウムウエハーの開発・製造・販売を行う企業です。2023年12月には、大陽日酸や三菱電機などから出資を受け、量産体制の強化を進めています。

タムラ製作所は、ノベルクリスタルテクノロジー社の親会社であり、最大の株主でもあります。
タムラ製作所は、酸化ガリウムの研究開発において、ノベルクリスタルテクノロジー社と協力しています。

株式会社ノベルクリスタルテクノロジーでは、酸化ガリウムのエピウエハの開発、製造、販売を行っております。

ニュース

2024年01月09日
パワー半導体への採用加速…6インチ酸化ガリウム単結晶、ノベルクリスタルテクノが作製成功

【関連企業】
タムラ製作所(6768)
日本酸素ホールディングス(4091)
三菱電機(6503)

FLOSFIA株式会社

FLOSFIAは、京都大学発のベンチャー企業で、酸化ガリウムパワー半導体の開発を行っています。独自の成膜技術を活用した酸化ガリウムは、高品質かつ高効率な製品として注目されています。

デンソーは、FLOSFIAのシリーズEラウンドの資金調達に参加したほか、酸化ガリウムパワーデバイスの車載応用に向けて共同開発を行っています。

ニュース

2023年3月15日
酸化ガリウムのP層課題決着へ!FLOSFIAとJSR、世界初のP型半導体「酸化イリジウムガリウム」実用化に向けて進展!

【関連銘柄】
デンソー(6902)
フジミインコ(5384)
JSR(4185)

米国株


米国株においては、酸化ガリウムパワー半導体の開発や製造に取り組む企業がいくつかあります。
その中でも、有望な銘柄としては以下の2社が挙げられます。

  • ウルフスピード(Wolfspeed, Inc.)(旧Cree, Inc.)
    NYSE: WOLF

Creeは、LEDや半導体照明などの光学製品を製造する企業です。
酸化ガリウムパワー半導体の開発では、業界をリードする地位を築いています。

  • カーボ/クォルボ(Qorvo, Inc.)
    NASDAQ: QRVO

Qorvoは、RF(無線周波数)コンポーネントや部品を製造する企業です。
酸化ガリウムパワー半導体の開発では、Creeと提携し、高性能の製品を開発しています。

酸化ガリウム 普及の可能性

酸化ガリウムは、シリコンや炭化ケイ素、窒化ガリウムに次ぐ第3の次世代パワー半導体材料として、高耐圧・低損失・高周波特性などに優れた性能を持ちます。

また、融液からバルク単結晶を成長させられるため、ウエハ製造にかかるコストを低減できる可能性があります。

酸化ガリウムの普及可能性は、過去の半導体の歴史からいくつかのヒントを得ることができます。
例えば、以下のような点が考えられます。

半導体の歴史は、トランジスタや集積回路の発明によって大きく進展しました。
酸化ガリウムでも、新しいデバイスや回路の開発が普及の鍵となるでしょう。

半導体の歴史は、電卓やコンピュータなどの応用分野の拡大によっても加速されました。
酸化ガリウムでも、電源や通信、車載、宇宙などの分野での採用が普及の要因となるでしょう。


半導体の歴史は、国や企業の研究開発投資や政策によっても影響を受けました。
酸化ガリウムでも、技術革新や競争力向上のために、研究開発予算や輸出規制などの支援や保護策が必要となるでしょう。

以上のように、酸化ガリウムの普及可能性は、過去の半導体の歴史から学べることが多いと言えます。しかし、酸化ガリウムはまだ研究開発段階の技術であり、市場への投入や普及にはまだ多くの課題や不確実性があります。

今後の技術革新や市場動向に注目していきたいと思います。

その他、酸化ガリウムに関する銘柄としては、

  • 酸化ガリウムの製造に必要な原料である、ガリウムや酸素の製造・販売を行う企業
  • 酸化ガリウムパワー半導体の製造に必要な装置や設備を製造・販売を行う企業
  • 酸化ガリウムパワー半導体を搭載した製品を製造・販売を行う企業

これらの銘柄も、酸化ガリウム市場の拡大に伴い、成長が期待できる企業と言えそうです。

世界の酸化ガリウムの生産量


半導体における酸化ガリウムの生産量が多い国のランキングは、以下のようになっています。

順位国名生産量(トン)
1中国1,200
2ドイツ300
3カザフスタン200
4ウクライナ100
5日本77

中国は、世界の酸化ガリウムの生産量の約75%を占めており、圧倒的なシェアを持っています。
日本は、化合物半導体メーカーで発生する工程スクラップを使用した再生地金の生産量が多いです。

半導体素材と主な技術歴史・展望

2020年代以降は、シリコンの限界突破に向けた技術開発に加え、新素材の開発も進められ、新たな可能性を切り拓くと考えられます。

酸化ガリウム(Ga2O3)は、シリコンよりも高い熱伝導率を有しており、高速動作や低消費電力に適しています。また、窒化アルミニウム(AlN)は、シリコンよりも高い耐熱性や耐放射線性を有しており、高温や放射線の多い環境での使用に適しています。

これらの新素材は、まだ実用化には至っていませんが、今後の半導体技術の進展において重要な役割を果たす可能性があると考えられます。

具体的には、以下のような応用が期待されています。

  • 酸化ガリウム:
    • 5Gや次世代ワイヤレス通信などの高速通信機器
    • AIや機械学習などの高性能計算機器
  • 窒化アルミニウム:
    • 宇宙航空機や原子力発電所などの高温環境下で使用される電子機器
    • 医療機器や産業機器などの放射線環境下で使用される電子機器
時代素材主な技術
1940年代ゲルマニウムトランジスタ
1950年代シリコンIC
1960年代シリコン集積回路の微細化
1970年代シリコン大規模集積回路(LSI)
1980年代シリコン超大規模集積回路(VLSI)
1990年代シリコン超高集積回路(ULSI)
2000年代シリコンナノメートル半導体
2010年代シリコン、カーボン系半導体、窒化ガリウム量子コンピュータ、AI
2020年代以降シリコン、異種集積、酸化ガリウム、窒化アルミニウム高速通信、低消費電力、高耐久性

酸化ガリウムの次の素材は?


酸化ガリウムの次に注目されている半導体素材は、ダイヤモンドや窒化アルミニウムなどの「ウルトラワイドバンドギャップ(UWBG)半導体」と呼ばれるものです。

これらの素材は、酸化ガリウムよりもさらに大きなバンドギャップを持ち、より高耐圧・高周波・高温に対応できると期待されています。
しかし、現在はまだ研究開発段階であり、実用化には多くの課題があります。

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