タムラ製作所は、次世代投資として、酸化ガリウム(Ga2O3)関連技術の開発に注力しています。Ga2O3は、従来のシリコン(Si)に比べて、高耐圧、高耐熱、高効率などの特徴を持つ次世代半導体材料です。タムラ製作所がGa2O3関連技術の開発に成功すれば、大きな成長機会が期待できます。
会社概要
株式会社タムラ製作所は、東京都練馬区にある電気機器業界において、トランス・リアクタなどのエネルギー変換を行う各種電子部品を開発しています。
会社の正式名称:株式会社タムラ製作所 / TAMURA CORPORATION
銘柄コード:6768
創業: 1924年5月11日(2024年に創業100周年)
設立: 1939年11月21日
資本金: 11,829百万円
決算期: 年1回・3月31日
従業員数: 連結4,576名
連結売上高: 107,993百万円(2023年3月期)
連結経常利益: 4,329百万円(2023年3月期)
業種
タムラ製作所の業種は、電子部品製造業です。
電子部品は、スマートフォンやIoT機器などの電子機器に欠かせない部品であり、タムラ製作所は、これらの電子機器の製造に不可欠な電子部品を製造しています。
タムラ製作所の主な事業は、以下の3つです。
- パワーエレクトロニクス・車載関連
- トランス、コイル・リアクタ、電源ユニット
- 情報機器(放送・無線機器)
パワーエレクトロニクス・車載関連事業は、タムラ製作所の売上高の約6割を占める主力事業です。
この事業では、パワーデバイスや車載用電源など、電力変換や供給を担う電子部品を製造しています。
トランス、コイル・リアクタ、電源ユニット事業は、タムラ製作所の売上高の約2割を占める事業です。
この事業では、トランスやコイル、リアクタ、電源ユニットなどの電子部品を製造しています。
情報機器(放送・無線機器)事業は、タムラ製作所の売上高の約2割を占める事業です。この事業では、放送機器や無線機器などの電子部品を製造しています。
業績サマリー
※売上高、営業利益。キャッシュフロー。株価。配当金と配当利回りの実績サマリー


(2024 年 1 月 23 日 時点)


強み
タムラ製作所の強みは、以下の通りです。
- 【注目】酸化ガリウム(Ga2O3)
タムラ製作所は、ノベルクリスタルテクノロジー(NCT)と資本業務提携を結んでいます。
NCTは、Ga2O3の結晶成長技術を有するベンチャー企業です。
タムラ製作所は、NCTの結晶成長技術を活用して、Ga2O3パワーデバイスの開発を進めています。
NCTの結晶成長技術は、高品質で均一なGa2O3単結晶の製造を可能にしており、タムラ製作所のGa2O3パワーデバイスの開発に大きく貢献しています。
- 長年にわたる技術開発と製造ノウハウ
タムラ製作所は、創業以来、100年以上にわたって、電子部品の製造に携わってきた経験とノウハウを有しています。このノウハウを活かして、高品質で信頼性の高い電子部品を製造しています。
- 幅広い製品ラインナップ
タムラ製作所は、パワーエレクトロニクス、トランス、情報機器など、幅広い分野の電子部品を製造しています。この幅広い製品ラインナップにより、さまざまなニーズに対応することができます。
- グローバルな事業展開
タムラ製作所は、日本を中心に、中国、韓国、台湾、欧米など、世界40カ国以上に事業展開しています。グローバルな事業展開により、安定した経営基盤を築いています。
【強み】酸化ガリウム(Ga2O3)について
酸化ガリウム(Ga2O3)は、従来のシリコン(Si)に比べて、以下のような優れた特徴を持っています。
- 高耐圧:Siの約3倍の耐圧を有するため、高電圧のパワーデバイスに適している。
- 高耐熱:Siの約3倍の耐熱性を有するため、高温環境での使用に適している。
- 高効率:Siの約2倍のスイッチング効率を有するため、省エネに貢献する。
これらの特徴から、Ga2O3は、次世代パワーデバイスとして注目されています。

弱み
タムラ製作所の弱みは、以下の通りです。
- 競争が激しい業界
電子部品業界は、競争が激しい業界です。
タムラ製作所は、国内外の競合他社との競争にさらされています。
- 円安の影響を受けやすい
タムラ製作所の原材料の多くは、海外から調達しています。
円安になると、原材料の調達コストが上昇し、収益が圧迫されるリスクがあります。
競合会社
- 村田製作所(6981)
- シチズン電子(6740)
- 京セラ(6971)
- TDK株式会社(6762)
セクター状況
タムラ製作所が属するセクターは、電子部品セクターです。
電子部品セクターは、近年、スマートフォンやIoTの普及により、拡大を続けています。
JEITAの予測によると、世界的なカーボンニュートラルの流れを背景とする自動車の電動化促進や、5G関連需要の拡大、世界的な自動化ニーズの高まりやデジタル投資の拡大などによる電子部品需要押し上げが期待されています。
一方で、中国スマホの調整長期化や巣ごもり特需からの反動に加え、半導体関連投資の減速、FA/工作機械関連の需要の一服などにより、特に年前半は厳しい市況も想定されています。
加えて、中国景気の低迷長期化や高インフレによる欧米消費市場低迷なども懸念されています。
一方で、23年は半導体不足の緩和による車載用電子部品需要の増大や自動化ニーズに伴うロボット需要増などへの期待が高く、また、中国のゼロコロナ政策終了に伴い、23年半ば以降の中国経済回復も期待されています。
※但し、中国の景気回復は不動産バブル崩壊の影が潜んでいるため、両手放しで中国経済回復と言える状態ではないかもしれません。
半導体のAI需要については、2024年4〜6月期に好転すると予想されています。
生成AI(人工知能)向けデータセンターや電気自動車(EV)向け半導体などが需要をけん引し、半導体大手は増産に動くとされています。
3〜4年で周期的に好不況を繰り返す半導体市況の「シリコンサイクル」の好転で、世界景気全体の底上げにもつながるとされています。
今後の展望
タムラ製作所は、次世代投資として、Ga2O3関連技術の開発に注力しています。
Ga2O3は、次世代半導体材料として注目されており、タムラ製作所の技術開発が成功すれば、大きな成長機会が期待できます。
将来性
タムラ製作所は、Ga2O3の優れた特徴を活かして、次世代パワーデバイスの開発に取り組んでいます。NCTの結晶成長技術を活用することで、高品質なGa2O3パワーデバイスの製造を実現し、市場でのシェア拡大を目指しています。
タムラ製作所は、Ga2O3関連技術の開発が成功すれば、大きな成長機会が期待できます。
テンバガーになる可能性
タムラ製作所は、次世代投資として、Ga2O3関連技術の開発に注力しており、将来性の高い企業と言えます。
Ga2O3は、次世代半導体材料として注目されており、タムラ製作所の技術開発が成功すれば、大きな成長機会が期待できます。
Ga2O3関連技術の開発が成功し、タムラ製作所がGa2O3関連製品で大きなシェアを獲得することができれば、テンバガーになる可能性はゼロではないと考えられそうです。
近年は、各社アナリストなどからもテンバガー候補として評価されてはじめています。
最新ニュース
2024年1月9日
ノベルクリスタルテクノロジー(埼玉県狭山市、倉又朗人社長)は、パワー半導体の基板となる150ミリメートル口径(6インチ)β型酸化ガリウム(β―Ga2O3)単結晶の作製に成功
2023年11月29日
タムラ製作所、地方ラジオ局向け音声ミキサー 24年発売
まとめ
タムラ製作所は、長年にわたる技術開発と製造ノウハウ、幅広い製品ラインナップ、グローバルな事業展開を強みに、安定した経営基盤を築いている企業です。
しかし、競争が激しい業界であり、円安の影響を受けやすいという弱みもあります。タムラ製作所の今後の成長は、Ga2O3関連技術の開発状況や、円安の影響などの要因によって左右されると考えられます。
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